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昭和ドラマ史

昭和ドラマ史 1940―1984年 テレビドラマが見つめた日本人の夢と現(うつつ)

こうたき てつや・著

NHKは1940年に開催予定だった東京オリンピックに合わせてテレビ放送開始をめざしていた。日中戦争でオリンピックは中止となったが実験は続けられた。そして1940年、実験ドラマ『夕餉前』が作られる。戦争による中断を経て、本放送が始まったのは1953年。日本テレビをはじめに民間放送各局も次つぎテレビ放送をスタート。以来、厖大な数の様々なドラマが作られ、庶民の身近な娯楽として、心の糧として、人びとに大きな影響を与えた。本書は日本のテレビドラマの歩みを、その時代の代表作を中心に記録している。それが、どのようなドラマであったか、今の読者にもわかるように記述されている。現在のドラマとの関連など読み物としても面白い。著者は日大芸術学部教授(現在、名誉教授)、また評論家として新聞各紙などに寄稿しているドラマ研究の第一人者。

A5判 並製 360頁 定価2700円(本体2500円+税) 送料350円  87100-239-4

■目次
〈実験期〉一九四〇〜五二年
テレビドラマの原風景

「夕餉前」に始まる世界 反骨の喜劇作家・伊馬鵜平(春部)

〈草創期〉一九五三〜五九年
テレビドラマ創造への情熱

ホームドラマとテレビドラマ芸術への衝動
連続ホームドラマ「幸福への起伏」/芸術祭創設と四元中継ドラマ「追跡」
テレビドラマ娯楽の開発
「日真名氏飛び出す」「ダイヤル110番」「月光仮面」「お笑い三人組」「おトラさん」「バス通り裏」「事件記者」
テレビドラマ芸術への挑戦
海外のテレビプレイが伝えた芸術性〜パディ・チャエフスキーの劇的リアリティ レジナルド・ローズの人間社会劇/芸術祭参加作品に見るドラマ表現〜「どたんば」「ひょう六とそばの花」
反戦ドラマに見るテレビのアクチャリティ
「私は貝になりたい」「日本の日蝕」/実験、挑戦の場としての単発ドラマ枠〜「東芝日曜劇場」

〈開発期〉一九六〇〜六九年
テレビドラマの開発と表現への挑戦

ドラマ編成と方法論の開発〈一九六〇〜六四年〉
放送時間帯と連続ドラマの開発
連続テレビ小説の誕生〜「バス通り裏」から「娘と私」へ/昼のメロドラマ「日日の背信」
テレビ時代劇の革新
大河ドラマの豪華キャスティング「花の生涯」「赤穂浪士」/歴史ドラマ「太閤記」チャンバラ時代劇のリアリズム〜「三匹の侍」
大家族ホームドラマ〜「七人の孫」
東芝日曜劇場が生んだ二人の作家〜橋田壽賀子と平岩弓枝〜
バラエティドラマの人気〜「若い季節」「てなもんや三度笠」〜
連続ドラマの新たな潮流
「七人の刑事」〜社会に題材を求めて 「判決」〜憲法へのこだわり
単発ドラマが問う戦争と戦後民主主義
テレビドラマの大衆化と表現への闘い〈一九六五〜六九年〉
六〇年代ドラマが描く光と影
テレビドラマ大衆化への焦燥〜「写楽はどこへ行った」青春学園シリーズの誕生「青春とはなんだ」/シリアスな青春群像「若者たち」
連続ホームドラマの分岐点
連続テレビ小説・一代記路線〜「おはなはん」「旅路」/母子家庭ホームドラマ「肝っ玉かあさん」「木下恵介劇場」「木下恵介アワー」/「氷点」「男はつらいよ」
七〇年代、テレビドラマ大衆化への道筋
大映ドラマの潮流「東京警備指令 ザ・ガードマン」/ウルトラシリーズの誕生/「銭形平次」〜長寿時代劇シリーズの始まり 「水戸黄門」〜時代劇のホームドラマ化
地域発ドラマ〜風土と人間をみつめて〜北海道、九州、大阪、東海〜
テレビドラマ表現への闘い〜大山勝美、今野勉、佐々木守〜

〈拡充期〉一九七〇〜八四年
脚本家が切り拓く世界

テレビドラマの新たな創造〈一九七〇〜七四年〉
脚本家と連続ドラマが切り拓く地平
連続ホームドラマの脱構築
「ありがとう」/「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「お荷物小荷物」「それぞれの秋」/「細うで繁盛記」
青春ドラマの変貌〜七〇年代の挫折と絶望〜
「太陽にほえろ!」「傷だらけの天使」
思春期ドラマの潮流
「おくさまは18歳」大映メロドラマ〜山口百恵の赤いシリーズ/「帰ってきたウルトラマン」
「中学生日記」/少年ドラマシリーズ「タイムトラベラー」「ユタとふしぎな仲間たち」
時代劇に注入されるテレビの生理
「天下御免」「木枯し紋次郎」「必殺仕掛人」
テレビ映像表現への挑戦
佐々木昭一郎のテレビ映像表現〜「マザー」「さすらい」「夢の島少女」ドキュメンタリードラマの開拓 〜吉田直哉「国境のない伝記」/今野勉「欧州から愛をこめて」
倉本聰の新たな挑戦〜NHK時代劇からHBCドラマへ〜
「赤ひげ」「勝海舟」/「風船のあがる時」「ばんえい」「りんりんと」倉本聰と山田太一のメディア批評〜「6羽のかもめ」「真夜中のあいさつ」
脚本家の時代の到来〈一九七五〜七九年〉
「脚本家シリーズ」の創設
「前略おふくろ様」/「土曜ドラマ」と脚本家シリーズの創設/「天城越え」「ザ・商社」
山田太一〜社会の潜在意識をドラマへと導く〜
「山田太一シリーズ 男たちの旅路」「シルバーシート」「車輪の一歩」「岸辺のアルバム」「終りの一日」
橋田壽賀子〜日常会話のリアリズム〜
銀河テレビ小説「となりの芝生」 東芝日曜劇場「女たちの忠臣蔵」
向田邦子〜家族に秘められた男と女の情念〜
「向田邦子シリーズ 阿修羅のごとく」ドラマ人間模様「あ・うん」
早坂暁〜寄る辺なき者をうつくしむ〜
ドラマ人間模様「冬の桃」「修羅の旅して」土曜ワイド劇場「田舎刑事 時間よ、とまれ」
市川森一〜夢現に求める真〜
「グッドバイ・ママ」「港町純情シネマ」「林で書いた詩」「春のささやき」
中島丈博〜現在を予見する〝老い〟の情念と孤独〜
「わが美わしの友」「極楽家族」ドラマ人間模様「事件」
鎌田敏夫〜時代心理のシャープな切り取り〜
「俺たちの旅」 松田優作のジーパン刑事
ドラマ編成の柔軟化と多様化
「土曜ワイド劇場」の創設〜「戦後最大の誘拐︱吉展ちゃん事件」/ミニシリーズ「ルーツ」の八夜連続編成/「海は甦える」に始まるスペシャル編成
教室ドラマの開拓〜管理教育への危惧〜
「熱中時代」「三年B組金八先生」
推理サスペンスの作家性
「悪魔のようなあいつ」「新車の中の女」
テレビドラマの多様な成果〈一九八〇〜八四年〉
スタジオドラマの充実と技術革新
八〇年代の地域へのまなざし
「うちのホンカン」から「北の国から」へ/「夢千代日記」「新事件 わが歌は花いちもんめ」
堕ちてゆく者たちへ
「淋しいのはお前だけじゃない」 ソープ嬢モモ子シリーズ「大久保清の犯罪」「イエスの方舟」「羽田浦地図」「私を深く埋めて」
八〇年代ホームドラマが見つめた家族
「早春スケッチブック」「仮の宿なるを」「金曜日の妻たちへ」「おしん」「池中玄太80キロ」
青春描写の二極化
「想い出づくり。」「ふぞろいの林檎たち」「無邪気な関係」「昨日、悲別で」「スチュワーデス物語」「うちの子にかぎって・・・」
〝老い〟のドラマに見る現在という未来
「ながらえば」/「幻の町」から「波の盆」へ/「親切」
一人の人間を描こうとする難病ドラマ
「ああ!この愛なくば」「小児病棟」
日本の近代化を問う異邦人ドラマ
「日本の面影」「ビゴーを知っていますか」
映像と音と音楽のテレビ詩
「四季〜ユートピアノ」/「安寿子の靴」

あとがきにかえて〜平成時代に向けて〜

初出原稿
参考文献
出典および取材年月日