2014/02/24
山田太一氏のエッセイ集「月日の残像」(新潮社)を読んでいたら、同業の先輩から「あんたはシナリオライターじゃないよ。シナリオというのは、映画の脚本のことです。あんたの書いているのはテレビドラマでしょう。スクリプト・ライターというべきです」と言われたエピソードが出てきた。そこで思い出したのが、30年ぐらい前だったか、放送作家協会のパーティの席で、同協会の会長をつとめていた阿木翁助氏が、「(それまで壇上でスピーチした人たちが)シナリオ、シナリオと言っているが、シナリオというのは映画です。テレビドラマは脚本と言うんです」と断言したこと。
それまで全く同義に考えていたので、「本当にそうなんですか?」協会員の方に訊ねると、「テレビドラマも皆シナリオって言ってるよ」との答え。シナリオと脚本、映画とテレビドラマにはっきり境界があった時代の使い分けだったんでしょうね。今や、ラジオドラマや演劇でも「シナリオ」が時に使われる時代。月刊ドラマ誌でもシナリオと脚本を混用しています。
Category: シナリオ界見聞録