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2014/06/11

柳井隆雄氏の「小さき世界」

シナリオ界見聞録

柳井隆雄氏といえば、『父ありき』『君の名は』などの脚本で知られる松竹(蒲田・大船)映画の重鎮脚本家。その柳井氏のシナリオ集「小さき世界」の編集に携わることになって、茅ヶ崎の柳井邸に伺った。先生はまぎれもない文人の雰囲気があった。しかし、敷居の高さは感じさせない、やさしさを感じた。それは先生の脚本からも伝わってくる。それはご自身の経歴、体験からくるものに違いない。劇作家をめざし、芸術志向であった20代後半の先生は、ある日、歌舞伎『壷坂霊験記』を観ていて周りの観客が涙し感動していることに驚く。それがキッカケで、「観衆と一緒に心から素直に悲しみ、一緒に笑い、一緒に喜ぶ人情劇を信念をこめて書き続けたいと思う」脚本が人生が始まったのだ。