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2013/09/24

54年前に久慈の海女をドラマにした水木洋子氏

シナリオ界見聞録

NHK朝ドラの『あまちゃん』が今週で終了する。ここ数年、朝ドラが面白く、世間の話題になることが多くなった。『あまちゃん』好評の理由は多々あると思うけれど、その一つは「北限の海女」という珍しい設定ではないか。月刊ドラマ2009年10月号の「ラジオドラマ放送から半世紀 今も息づく『北限の海女』(水木洋子・作)」(筆者・奥薗守氏)に書かれているように、1959年、水木洋子氏の脚本でラジオドラマ『北限の海女』が放送されている。水木氏は、取材旅行の中で素材を得たという。「ドキュメンタリー調の強いタッチで、都会から小袖を訪ねた女性が対照的な二人の海女に会い、逞しく厳しい生き方に心をゆさぶられる。そのなかで、当時の海女の生活や小袖地区の様子を興味深く描いたのである」(上記より)作品はNHKから放送されて芸術祭賞を受賞し、「最高の力作」との評価を得た。現在、横浜の放送ライブラリーで聴くことができる。
水木洋子氏と言えば、戦後日本映画を代表する脚本家で、キネマ旬報の日本映画ベストテン1位を5作品生み出している。私が、水木氏のお目にかかったのは1978年、弊社でシナリオ集を出版した時でした。(つづく)