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2014/03/10

フランス文学者、池田一朗氏

シナリオ界見聞録

今年、2014年のテレビ東京・新春ワイド時代劇『影武者 徳川家康』の原作者・隆慶一郎は脚本家・池田一朗氏と同一人物。第一線の脚本家が60歳を過ぎて小説家に転じた。私の知るのはもちろん脚本家・池田一朗氏。まだ小説を手がける前のこと。白金の仕事場に訪ねインタビューした。立派な体格をされているのは「軍隊に行ったおかげ」だと言い、部屋には3・75キロの木剣が。一日100回素振りするそうだ。もとは学者志望で、大学でフランス語の講師をしていた。その話に出てくるフランスの作家名を「記事にするとき間違えて書くなよ」と言われたことを思い出す。その後も氏とは度々お目にかかったが、用事で六本木の放送作家協会(原ビル)へ行くと、よく氏がソファに横になっていた。起き上がると、「プロデューサーがひどい。ドラマ誌に書かせてくれないか」「ええ、書いてください」結局、それを書かないうちに、氏は小説家に転身した。