TOPICS

2018/09/28

9月28日

日誌

昔の映画シナリオを活字化しようとする場合、当時の台本を借りて来てパソコンで入力する。ところが、この台本というのが謄写版で印刷されたもの。ガリ版といわれ1970年代半ばくらいまでは使われていたように思う。若い人は見たこともないだろうけど。要するに手書きの版画印刷みたいなもの。これで印刷された台本には当て字が多い、また必要以上に送り仮名が振られていたりする。極端なのは作字まである。これらは撮影現場で通用すればいいから読み物として公衆の前に発表されるものとして書かれていない。なので、入力するとき考え込んでしまう場面がある。台本の用途は昔も今も変らないけど、脚本家がパソコンで書いて、プロデューサーから印刷所にデータ入稿される時代は、ガリ版台本のようなことは起こらない。しかし妙なもので、撮影現場でしか通用しない台本に結集するスタッフ、キャストの仲間意識のようなものも感じたりする。